【川゚ -゚)は戦闘機のテストパイロットのようです】
209 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:50:41 ID:yOoy9O3Y0
( ω゚)「ククク」
210 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:51:16 ID:yOoy9O3Y0
( ω゚)「ククク・・・」
【川゚ -゚)は戦闘機のテストパイロットのようです】
川゚ -゚) ← メインパイロット
('A`) ← サブパイロット
211 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:51:46 ID:yOoy9O3Y0
('A`)「今日はよく晴れていますね」
川゚ -゚)「ああ。 雲ひとつない快晴だ」
川゚ -゚)「とは言うが、雲があったとしても私達の下なのだがな」
('A`)「ははっ。 それもそうですね」
川゚ -゚)「でも、気分がいいよ」
川゚ -゚)「こうやって飛行機に乗って自由に空を飛ぶのが夢だった」
('A`)「俺もですよ」
('A`)「我が国の空軍は適性試験や厳しい訓練を抜けてやっと入軍許可が得られる場所です」
('A`)「そこに属する仲間に飛行機に乗りたくないなんて奴はいません」
('A`)「いるとすれば、相当の変わり者でしょう」
川゚ -゚)「そうか。 そうだろうな」
212 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:52:01 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「しかし、実を言うとだな」
川゚ -゚)「私は飛行機には乗りたかったが、人を撃ちたくは無かったんだよ」
('A`)「クーさん・・・」
川゚ -゚)「対外的な軍の仕事はどれもこれも嫌いだ」
川゚ -゚)「だから、配属如何によっては飛行気乗りの夢を捨てて、軍を抜ける覚悟だった」
川゚ -゚)「指揮系統の中心や上層部の奴らにとっては迷惑な話だとは思うがな」
('A`)「アカデミーでも配属後の演習でもズバ抜けたトップガンでしたからね。 クーさんは」
('A`)「そう易々とは辞めさせてもらえなかったでしょう」
川゚ -゚)「私は優秀かつ戦意が見えないという理由でテストパイロットを任されたのかも知れないな」
川゚ -゚)「飼い殺し、という訳だ」
('A`)「他国に流出させてはいけない人材だったから」
川゚ -゚)「うむ。 自分で言うのもなんだが、私は優秀すぎた」
213 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:52:16 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「すまないな」
('A`)「・・・どうして謝るんです?」
川゚ -゚)「私がいなければこの機のメインパイロットは君だったかもしれないと思うとな」
川゚ -゚)「意欲の無いくせに機体の座席に居座っている私を疎ましくは思っているのではないか?」
('A`)「馬鹿にしないでくださいよ。 クーさん」
川゚ -゚)「・・・!?」
('A`)「確かにメインパイロットは皆の憧れで目標です」
('A`)「空軍飛行機乗りの皆が今のクーさんがいる座席に座りたいんです」
('A`)「しかしです。 この機のサブパイロットの座は俺が勝ち取ったんです」
川゚ -゚)「・・・」
214 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:52:31 ID:yOoy9O3Y0
('A`)「俺は政治や歴史については空っきしでも、飛行機に関しては真摯に取り組んできました」
('A`)「だから、飛行機を飛ばす上でのサブパイロットの重要性も理解しています」
('A`)「管制官や整備士等、関わる人々総てが飛行機を飛ばすために必要なんです」
('A`)「そして、俺も俺がいる今の場所に就いては誰からも気に掛けられる気はないです」
('A`)「だから、クーさんも自信を持ってその座席にいていいんです」
川゚ -゚)「そうだったな」
川゚ -゚)「ありがとう。 ドクオ」
('A`)「俺は当たり前の事を言っただけですよ」
川゚ -゚)「その当たり前のことを私は忘れていた」
川゚ -゚)「私は常に冷静なつもりいたが悩みがあると誰でも駄目だな。 何でも動きが鈍る」
川゚ -゚)「視野が狭くなるし、同時に扱える情報が少なくなる」
川゚ -゚)「飛行気乗りの癖にな。 致命的だ」
215 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:52:47 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「今日、ここで君と話せてよかったよ」
川゚ -゚)「君が私のサブパイロットでいてくれて本当によかった」
('A`)「ははっ。 補佐ですからね、俺は」
('A`)「こんなことでよければいくらでも、ですよ」
川゚ -゚)「そうか? それならばもう一つ話したいことがあるんだ」
('A`)「何です?」
川゚ -゚)「私と君という二人の今後の活動に直結する問題なんだが・・・」
('A`)「二人の・・・?」
川゚ -゚)「できれば落ち着いて聞いて欲しい」
川゚ -゚)「慌てずにゆっくり考えてから返答をくれ」
('A`)「・・・」
216 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:53:03 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「飛行機の燃料が切れそうなんだ」
(゚A゚;) くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」
.
217 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:53:20 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「いやあ、まいったなあ」
('A`;)「なっ、なんで・・・ なっ、な・・・」
川゚ -゚)「ぜーんぜん、残ってないんだよね」
川゚ -゚)「はっはっは」
('A`;)「なんで燃料が無いんですか!」
川゚ -゚)「何でだろう?」
川゚ -゚)「はっはっは」
('A`;)「知ってるんでしょ! その笑い方、何か知ってるふうですよね!?」
川゚ -゚)「ふむ、鋭い」
川゚ -゚)「仕方がない。 話そう」
('A`;)「・・・」
218 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:53:37 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「昨日の夜のことだ」
川゚ -゚)「私は翌朝からのテスト飛行に興奮して寝付けなかった」
川゚ -゚)「スケジュールを読み返したりパイロットスーツを確認したりと色々したが眠れなかった」
('A`;)「遠足前夜の小学生ですか」
川゚ -゚)「自室に確認するものが無くなった私はだな」
川゚ -゚)「飛行機の様子を見に行ったんだ」
川゚ -゚)「格納庫で飛行機を見てると沸々とある思いが浮かんできたんだ」
('A`;)「そりゃ飛行機乗りなんですから一つや二つ思うところがあるでしょう」
('A`;)「上手く飛ばせるだろうかとか、ここまで来るのは長かったとか」
川゚ -゚)「うむ、だがしかし君の予想とは違ったんだ。 私が思ったことは・・・」
川゚ -゚)「 『 何だか無性に宙返りがしたい 』 」
川゚ -゚)「だったのだよ」
('A`;)「脈絡ねえ! てんで脈絡がねえ!!」
219 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:54:06 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「そんでもって私は飛行機を飛ばそうとした」
川゚ -゚)「が、その時ある邪魔者の存在に気が付いた」
川゚ -゚)「お前だ。 ドクオ」
('A`;)「俺ですか!?」
川゚ -゚)「静まり返った夜中に飛行機を飛ばしては流石にお前に感付かれる」
川゚ -゚)「そうしたら絶対止められる。 となると宙返りが出来ない」
川゚ -゚)「欲求不満」
川゚ -゚)「それは困る」
川゚ -゚)「だから私はお前の部屋に忍び込んで頭から掛け布団を三枚乗っけてやったんだ」
('A`;)「ええええぇぇえええええ!!?」
川゚ -゚)「そのおかげで飛行機が飛ぶ音はお前には聞こえない」
川゚ -゚)「私は悠々夜間飛行と洒落込むことが出来たのさ」
('A`;)「道理で昨晩は砂漠で彷徨う夢を・・・ いや、それはいいとして俺はのけ者だったってことですか」
川゚ -゚)「正直、敵もいないのにガンナーのサブパイロットなんかいらんよ」
('A`;)「・・・尤もですけど、悲しいです」
220 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:55:24 ID:yOoy9O3Y0
('A`;)「あれ? でも待ってください」
('A`;)「基地内の他の面子はどうしたんですか?」
川゚ -゚)「ああ、他の奴らはいい感じに酔いが回っていて咎める者なんていなかったさ」
('A`;)「軍属なのに危機感がねえ! そんな緩さで国を守れるのかよ!?」
川゚ -゚)「まあ、そんなこんなで仲間の歓声を受けて私は曲芸飛行をしてやったのさ」
川゚ -゚)「んで、そのまま燃料補給をしなかった、と」
川゚ -゚)「基地の酔っ払いどもも、うっかり忘れていたんだろうな」
('A`;)「ちくしょう! あの酒飲みども、仕事しろよ!」
221 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:55:50 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「私はちょっち燃料が足りないかなー、と気が付いていたけどね」
川゚ -゚)「身勝手な曲芸飛行を咎めなかった仲間の仕事に難癖つけるのもなんだな、と思って」
川゚ -゚)「あえて整備士達には何も言わなかった」
('A`;)「言わないなら言わないで、足しといてくださいよ!」
川゚ -゚)「ふん、燃料補給なぞメインパイロットの私の仕事ではない」
('A`;)「じゃあ俺に頼んでくれればいいじゃないですか!」
川゚ -゚)「言ったら文句言うだろうと思って内緒にしておいた」
川゚ -゚)「ずっとトップの成績だったからさ。 怒られなれてないんだ。 私は」
川゚ -゚)「怒られて、気落ちして、飛行機の操縦に支障があっては困るだろう?」
('A`;)「無駄にプライド高っけえ!!」
222 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:56:13 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「にゃあにゃあ喚いてはいるけどな」
川゚ -゚)「事前の燃料確認を忘れたのはお前もだぞ。 ドクオ?」
('A`;)「前日に腐るほどやりましたよ!」
('A`;)「それに前夜に燃料が足りなくなるほど飛行機を飛ばしているなんて考え付きません!」
川゚ -゚)「そういう機械的な仕事が一番駄目だぞ?」
川゚ -゚)「人が飛行機を飛ばす意味がない」
('A`;)「クーさんに言う資格がある台詞じゃありません!」
('A`;)「一番の原因じゃないですか!」
川゚ -゚)「人が行う仕事だ。 そういうこともある」
川゚ -゚)「ヒューマンエラーという言葉を聞いたことはないかね?」
('A`;)「クーさんの曲芸飛行は仕事じゃなくて遊びでしょうが!」
川゚ -゚)「遊びでやってんじゃないんだよっ!」
('A`;)「遊びですってば!」
223 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:57:21 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「仕方ない。 真面目にやろう」
('A`;)「お願いしますよ。 本当に」
川゚ -゚)「まずは何をしようか」
('A`;)「司令部に連絡を入れましょうよ」
川゚ -゚)「残念だったな。 突然の磁気嵐で無線は使えないぞ」
('A`;)「磁気嵐!?」
川゚ -゚)「この情報は飛び立つ前に得ていたんだが」
川゚ -゚)「無線が使えないくらいなんだ、と思ってな」
川゚ -゚)「強行離陸に踏み切ってみた」
('A`;)「俺にも伝えてくださいよ! 情報を公開してください!」
224 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:57:43 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「いやあ、失敗失敗」
川゚ -゚)「でも、空軍きってのエースパイロットの失敗なんてそうそう見れたものではないぞ」
川゚ -゚)「貴重だぞ? 嬉しいだろ?」
('A`;)「全っ然嬉しくないです! むしろ悲しいです!」
川゚ -゚)「そうか。 私の失敗を自分の事のように悲しんでくれるなんて、君はいい奴だな」
('A`;)「そういうことじゃなーい!」
225 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:58:12 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「さてさて、遭難したときは身の回りのものを確認するそうだが」
川゚ -゚)「空で一人ぼっちのときはどうしようか」
('A`;)「燃料は具体的にどれほど残っているんですか?」
川゚ -゚)「燃料の残りは残り数分だけ飛ぶ程度しかないな」
('A`;)「それだけ!?」
('A`;)「もっと早く教えてくださいよ!」
('A`;)「そうすれば引き返すなり何なりできたでしょう!?」
226 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:58:26 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「もしかしたら言わなくても伝わるかも知れない」
川゚ -゚)「パイロット同士だし、理解し合える、繋がり合えるものがあるかもしれない」
川゚ -゚)「以心伝心、ツーカー、阿吽、かもしれない」
川゚ -゚)「と思ってさ」
('A`;)「クーさんの行動は理解できません!」
川゚ -゚)「ああ、訓練中に周りから何度も言われたよ」
川゚ -゚)「『理解できないほど斬新で素晴らしい戦闘機動』だと」
('A`;)「さりげなく自慢しないでください!」
227 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:59:00 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「下は海だが、着水出来るだろうか?」
('A`;)「無理無理無理無理!! 絶対無理! やめて!」
('A`;)「着水は出来るけど機体が沈みますって!」
('A`;)「この機体は一度の航続距離を伸ばす為に余剰の空間がないんですから」
('A`;)「そしたら場所も分からない海のど真ん中で浮いてないといけないじゃないですか!」
('A`;)「捉まる物もないから体力の消耗が激しい!」
('A`;)「パイロットスーツも脱げないから着衣水泳です!」
('A`;)「余裕で溺れ死にますよ! 鍛えている軍人でも三時間と掛かりませんって!」
川゚ -゚)「そうか無理か」
川゚ -゚)「だが万に一つでも可能性があれば試して見ないわけにはいくまい」
('A`;)「ないですって!」
川゚ -゚)「本当に無理か?」
川゚ -゚)「君が浮き輪代わりになっても無理か?」
('A`;)「お断りします!」
228 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 15:59:36 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「君はしかし、頭でっかちだな」
川゚ -゚)「飛行機の素材がどうのこうのと、にゃあにゃあ喚く」
川゚ -゚)「その知識が成功への足枷になっているのではないかね?」
川゚ -゚)「そんなことだからメインパイロットの座を若くて美しい女性の凄腕パイロットに奪われてしまったんだ」
('A`;)「どうして俺は説教をされているのだろう」
('A`;)「それと、さりげなく自慢しないでください」
川゚ -゚)「自慢ではなく客観的判断から推測される事象を述べたまでだ」
('A`;)「客観的判断は別で使ってください! 生き残る方法を探したり、とか!」
川゚ -゚)「時に客観視するとだな、どうやらこの機体のメインパイロットは緊急海上着水をやってみたいらしい」
川゚ -゚)「うずうずしてるんだろうな。 今まで陸の見える場所でしか飛行機を飛ばしたことはなかったわけだから」
川゚ -゚)「ここはパイロットの意欲を尊重して着水してみよう。 はい、客観視からの判断だぞ。 いいだろ? 着水するぞ」
('A`;)「駄目です!」
川゚ -゚)「ちぇっ」
('A`;)「つ、疲れる・・・」
229 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:00:25 ID:yOoy9O3Y0
('A`;)「何でそんなに無茶をしようとするんですか。 貴方は」
川゚ -゚)「落ち着いているだけで動けない人間は無価値だろう?」
川゚ -゚)「冷静かつ大胆に。 それが私だ」
川゚ -゚)「挑戦の姿勢を失くしたくはないのさ」
('A`;)「そういうのは一人でやってくださいよ! 一人で!!」
川゚ -゚)「一人より二人の方がいい、って聞いた事は無いか?」
川゚ -゚)「いい言葉だろう? 人は群れる生き物だということがよくわかる」
川゚ -゚)「複数名いた方が何かと効率がいいし、淋しくもないからな」
('A`;)「聞いたことはありますけど、今とは別問題だと思います」
川゚ -゚)「文句を言うなら降りたまえよ。 私の飛行機だぞ」
('A`;)「降りられませんよ! それにこの機は軍のですよ! 勝手に接収しないでください!」
川゚ -゚)「ふん。 頑固で面白みのない奴だ。 ここから落っことしてやろうか?」
川゚ -゚)「その頭の硬さっぷりなら、どこから落ちても平気だろうよ」
('A`;)「どこまで俺に嫌味を言うんですか。 終いにゃ泣きますよ?」
230 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:01:08 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「見たくもねえ」
('A`;)「にべもねえ」
231 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:01:51 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「まあ、ビビリ野郎への脅しはこれくらいにしておこう」
川゚ -゚)「しかし、同じ飛行機に乗っているからといって上下関係を間違えるなよ」
川゚ -゚)「階級は私の方が上だ。 部下は上官に黙って従っていればよい」
('A`;)「だからといってクーさんに俺を落下傘降下させる権限はありませんけど・・・」
川゚ -゚)「時に、パイロットが二人ということで、ふと思ったんだが」
川゚ -゚)「初めて飛行機を飛ばした人は二人組みだったろ?」
川゚ -゚)「だから、ほら。 今も二人だし」
川゚ -゚)「ううむ、これは一つ挑戦してみないわけにはいくまい」
川゚ -゚)「ってね」
川゚ -゚)「それが強行航行の理由だ」
('A`;)「関係ないでしょうが! 全然!」
川゚ -゚)「釣れない奴だ。 海軍にでも言って魚釣りでも学んで来たまえ」
川゚ -゚)「それともここから叩き落して素潜りの漁を体験させてやろうか?」
('A`;)「まだ言いますか、その口は!」
232 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:02:41 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「して、さっきの話の飛行機を飛ばした人達は兄弟だったんだが・・・」
('A`;)「知ってますけど、なんでしょう?」
川゚ -゚)「兄弟繋がりで、もう一つ思い出したんだ」
川゚ -゚)「義兄弟と言うものは生まれた日は違えど死ぬ時は一緒に死ぬものらしい」
川゚ -゚)「だから、今日ここで私と君が一緒に死ねとすると義兄弟になるわけだ。 逆に考えて」
川゚ -゚)「つまり、君と私は義兄弟! 延いては兄弟! 一蓮托生の運命共同体!」
川゚ -゚)「一緒になって低燃料航行へ挑戦する義務があったのだよ」
('A`;)「ないです! これっぽっちも!」
233 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:03:20 ID:yOoy9O3Y0
('A`;)「大体なんですか、そのトンデモ理論は!」
川゚ -゚)「ふう。 君は死ぬときくらいは納得して死にたくはないのかね?」
川゚ -゚)「せっかく私が満足のできる死亡理由を考えていると言うのに」
川゚ -゚)「君は否定してばかりだな」
川゚ -゚)「あれか? 死の間際に神に祈る時間を貰っても祈りたい神がいないとか」
川゚ -゚)「そういう方向性の、あれか?」
('A`;)「生き残る術を考えてくださいよぉぉおおおっ!!!」
234 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:04:07 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「文句ばかり言ってないで君も何か考えたまえよ」
川゚ -゚)「死にたいのか?」
('A`;)「クーさんみたいな無鉄砲で無責任な人に言われたくないですよ!!」
川゚ -゚)「はっはっは、これは手厳しい」
('A`;)「ただの常識的な意見です!」
川゚ -゚)「さあ、考えてくれたまえ」
('A`;)「ううむ、癪だけど考えないわけにはいかない・・・」
('A`;)「そうだ! 脱出用のパラシュートですよ!」
('A`;)「それなら水に浮く素材も使われているから体力の損耗を防げます!」
('A`;)「海上でも生き残れる可能性が上がりますよ」
川゚ -゚)「ああ、脱出装置ならさっきから動かないぞ」
川゚ -゚)「押しても引いても、うんともすんとも言わないよ」
川゚ -゚)「多分、昨夜の宙返りで無理をしすぎたせいだろうな」
('A`;)「うわああああ!!」
235 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:05:54 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「スマンなあ」
('A`;)「なんで脱出装置が動かないことも内緒にしてるんですか!」
川゚ -゚)「ほら、不確定情報を流して混乱させるわけにはいかないだろう?」
川゚ -゚)「原因は宙返りにあったわけでもないかもしれないし」
川゚ -゚)「誤報を流して、部下のコンディションを悪化させるわけにもいかなかったのさ」
川゚ -゚)「上官は辛い立場だよ。 はっはっは」
('A`;)「動かないってとこまでは確定情報でしょう!?」
川゚ -゚)「そもそも動かないんだから伝えたところで仕方がないだろう」
('A`;)「そりゃあ、そうかもしれませんけど・・・」
236 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:06:59 ID:yOoy9O3Y0
('A`;)「あっ! 故障してることに気が付いてたってことは一人だけで脱出しようとしてたってことですか!?」
('A`;)「俺に状況説明もなしで! 酷いですよ!」
川゚ -゚)「スタンドプレーってやつさ。 エースパイロットの特権」
('A`;)「そんな権利はありません!」
川゚ -゚)「面倒だな、もう。 なら、あれだ。 あれ」
川゚ -゚)「君なら私の動きに合わせられると思った」
川゚ -゚)「これでよし。 君の薄っぺらいプライドも大満足だろ?」
('A`;)「よくなーい! それに薄っぺらくもない!」
237 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:07:58 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「あれも駄目、これも駄目。 君は否定してばかりだな」
川゚ -゚)「ひょっとして君の方が協調性がないのではないかね?」
('A`;)「当然の主張をしているまでです!」
川゚ -゚)「当然だろうが何だろうが、事が起きてから喚いても仕方があるまい」
川゚ -゚)「その点、私は刹那に生きているからな」
川゚ -゚)「昨夜、好き放題に宙返りを楽しんだから飛行機に関しての悔いは多分ない」
川゚ -゚)「一流は先手を打つ。 覚えておくといい」
('A`;)「死ぬことが前提の先手なんか御免ですよ!」
川゚ -゚)「人に限らずとも生き物はいずれ死ぬのだぞ、ドクオ」
川゚ -゚)「自分の為にある限りある生を全うするべきだ」
川゚ -゚)「という、有り難いお言葉をくれてやろう」
('A`;)「俺の人生はクーさんの所為で大分限られてしまいましたが?」
238 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:08:47 ID:yOoy9O3Y0 [30/121]
川゚ -゚)「いや、もしかしたら死なないかもしれないぞ」
川゚ -゚)「墜ちて着水した後に近くの島に泳ぎつけるかもしれないな」
川゚ -゚)「そうなったらサバイバルだ」
川゚ -゚)「火を起こしたり、釣りをしたり、家を建てたり」
('A`;)「サバイバルですか。 訓練もしていますからそれは大丈夫でしょうけど・・・」
川゚ -゚)「私もGBソフトのサバイバルキッズを全クリしたことがあるからサバイバルマスターだぞ」
('A`;)「それは違う!」
川゚ -゚)「そうだな。 あのゲームは客船が難破するのが始まりだった」
川゚ -゚)「飛行機の墜落ではないからな」
('A`;)「そういうことでもない!」
('A`;)「でも、助かる可能性もあるのか・・・」
川゚ -゚)「見渡す限りに島の影なんか無いけどな」
('A`;)「ちくしょう! ぬか喜びだよ!」
239 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:09:16 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「ステルス機の飛行演習だからな。 わざわざ人目につく可能性のある場所を飛ぶわけがない」
川゚ -゚)「それ故に、島も無く、船も通らないルートを飛んでいるわけだ。 自軍のレーダーにも引っ掛からない」
川゚ -゚)「だからこそパイロットは優秀な人間を選んでいた筈なんだが」
川゚ -゚)「君には失望させられたよ。 何一つ私へのフォローをしてくれないんだもんな」
('A`;)「この飛行の失敗に関して、俺の責任は何一つありませんから!」
川゚ -゚)「連帯責任という言葉を知らないのか? 訓練生の時によく言われただろう?」
川゚ -゚)「私のミスは総てお前のミスでもあるんだ」
川゚ -゚)「それなのに、この期に及んで、まだ責任逃れか?」
川゚ -゚)「政治家か? お前は。 情けない奴」
('A`;)「その理屈はおかしい。 どう考えても俺は被害者だ!」
川゚ -゚)「ふふふ、詭弁には引っ掛からないか。 死を目前にしてよく頭が回る奴だ」
川゚ -゚)「これは私がお前を死地に追い込んでやったから発現した新しい思考能力だろう」
川゚ -゚)「感謝したまえ。 私がお前の才能を引き出してやったのだからな」
('A`;)「臨死に追い込んでそのまま殺されちゃあ感謝の仕様もないですよ!」
240 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:09:33 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「そろそろ真剣になるか」
川゚ -゚)「燃料はもう殆ど無い」
('A`;)「本当に無いんですか?」
川゚ -゚)「無い」
川゚ -゚)「これはどうしようもない現実だ」
川゚ -゚)「最期にやりたいことはないか?」
川゚ -゚)「私に何か頼むのは無理だぞ。 圧力の掛かったパイロットスーツは飛行中に脱げる代物じゃない」
('A`;)「・・・」
川゚ -゚)「思いつかんか」
川゚ -゚)「・・・戦場では思考を停止させるなよ。 死ぬぞ」
241 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:09:52 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「ならば、私の最後の望みを述べよう」
川゚ -゚)「最期の最期で私は自分の能力を極限まで試してみたい」
川゚ -゚)「自分の体がどこまで重力加速度に耐えられるか」
川゚ -゚)「自分の目がどこまで周りを把握できるか」
川゚ -゚)「自分の耳がどこまで平衡感覚を保ってくれるか」
川゚ -゚)「自分の手がどこまで精密に操作できるのか」
川゚ -゚)「それを試してみたい」
('A`;)「・・・」
川゚ -゚)「この機にはメインパイロットの意識が失われるとサブパイロットに操縦権が移るシステムが搭載されている」
川゚ -゚)「私の意識が堕ちた後は好きに飛ばすがいい」
川゚ -゚)「どうせ最期なのだからな。 軍にも誰にも遠慮なく飛ばせよ」
242 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:11:23 ID:yOoy9O3Y0
('A`;)「クーさん」
川゚ -゚)「何だ? もう謝らんぞ。 順番も譲らん」
('A`;)「俺、この状況に今でも納得できてませんけど」
('A`;)「最期に飛行機を好き勝手に飛ばしたいって気持ちは理解できます」
川゚ -゚)「そうか」
('A`)「ふぅ・・・ とんだ貧乏クジだ」
('A`)「ほら、さっさと飛ばすだけ飛ばしてくださいよ」
('A`)「俺の分の燃料がなくなっちまいます」
川゚ -゚)「ん、潔いな、腐っても軍人か」
('A`)「褒めてるんですか、それ」
川゚ -゚)「褒めているだろう、十二分に」
243 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:11:50 ID:yOoy9O3Y0
川゚ -゚)「それではやるか。 精々目を開けられるだけ開けておけ」
川゚ -゚)「冥土の土産に私の全力の戦闘機動を見せてやろう」
('A`;)「っ・・・!?」
――――
――
244 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:12:23 ID:yOoy9O3Y0
('A`;)「はっ・・・!?」
('A`;)「ここは、基地の医務室!?」
('A`;)「俺は確かクーさんのとんでもない操縦テクを前にブラックアウトして・・・」
('A`;)「何でだ? 何で俺は生きている? 俺は死んだはずじゃあ・・・?」
('A`;)「ん? サイドテーブルに手紙が・・・」
――ドクオへ
燃料が足りないってのは冗談だ。
空では何が起こるかわからないぞ。
いい教訓になっただろ?
いつでも気を引き締めて冷静でいたまえ。
それでいて一度死んだ身なのだから大胆にな。
私はメインパイロットを辞めてゆっくりするつもりだ。
一つ思うところがあるのでな。
それじゃ、元気で。
――クーより
ps, 最後に見せてやった私の操縦は是非とも参考にしたまえ。
('A`;)「なんじゃこりゃ!?」
245 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:12:56 ID:yOoy9O3Y0
('A`)「あのフライトで飛行機から降りるつもりだったのか」
('A`)「軍が嫌いとか言ってたっけ・・・」
('A`)「思えば俺は訓練生の頃から今までクーさんにずっとやられっぱなしだった」
('A`)「一度もトップを譲ってくれないんだもんな、クーさん」
('A`)「最後の最後もやられちまったか」
('A`)「それにクーさんの最後の戦闘機動は凄かった」
('A`)「俺がGで意識を失って、クーさんは平気なんだもんな」
('A`)「そして一人でテスト飛行を終えて悠々帰投した、と」
('A`)「俺が医務室で寝てたってことはそういうことだ」
('A`)「情けない話だ。 鍛え方が足りないな」
('A`)「いつか越えてやりますからね。 クーさん!」
246 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:13:57 ID:yOoy9O3Y0
【数ヵ月後】
('A`)「念願のメインパイロットの座を手に入れたぞ!」
('A`)「でも、なんで・・・」
('A`;)「なんでサブパイロットがクーさんなんですか!?」
川゚ -゚)「そう、かんけいないね」
('A`;)「関係あるでしょう!?」
川゚ -゚)「はっはっは」
川゚ -゚)「ゆっくりしようと思ったのだけれど、軍が易々辞めさせてくれるはずがないだろう?」
川゚ -゚)「だから、テスト飛行を成功させたという実績があるということで次の試作機のサブパイロットに任命されたのさ」
川゚ -゚)「それに、いつかの飛行でお前が気を失ったときにだな」
川゚ -゚)「 『 なんで私が操縦してるのに後ろでグースカ寝てるんだ、こいつは? 』 」
川゚ -゚)「という感情が沸き上がってきたのさ」
('A`;)「それはクーさんの操縦が原因です!」
247 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:15:14 ID:yOoy9O3Y0 [39/121]
川゚ -゚)「ええい、黙れ。 お前の能力が劣っていたのが原因だ」
川゚ -゚)「ということで今回からは私がサブパイロット席で寝てやることにした」
('A`;)「寝ることは決定なんですね・・・」
川゚ -゚)「車でも飛行機でも隣で誰かに寝てられると眠くなるということをお前にも思い知らせてやろう」
川゚ -゚)「お前がメインパイロットでいる限り付きまとってやるから覚悟しろ」
('A`;)「逆恨みじゃないですか・・・」
川゚ -゚)「まあ、悪いことばかりでもないぞ」
川゚ -゚)「眠ってられるほど上手な操縦ということだ」
川゚ -゚)「メインパイロットに向けての技術選考試験は見事だったぞ。 褒めて使わす」
('A`;)「なにやら上手く言い包められている気がする・・・」
川゚ -゚)「そろそろ行くぞ。 非武装軍用機での空の旅にな」
('A`;)「はーい・・・」
248 名前: ◆SHBVDwnca.[sage] 投稿日:2010/09/29(水) 16:16:09 ID:yOoy9O3Y0
川 ー ) zzz...
('A`;) (もう寝てる・・・)
【川゚ー゚)は戦闘機のテストパイロットのようです】
川゚ー゚)「お し ま い っ !」('A`)
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